ラブレッスン
それじゃあ、私に対するあなたの態度は?





誘惑してみろとか、私の幸せ守ってやるとか……





そんな言葉に堕ちてしまった私がいけないって事なのね?







「確かに…残酷だわ。」






あなたの私への態度が沢木さんに対するものとは違う事すら充分残酷な仕打ちよ。




『何か言いました?』






小さく呟いた私の声は届かなかったらしく、私は顔を横にふった。







「何でもないわ。そろそろ仕事に戻るから。」







『俺も戻ります。』






「一緒に降りるわけにもいかないし、お先にどうぞ。
私は、一服してから行くから。」






手に持った鞄から、いつも吸っているメンソール系のタバコを取り出す。






けれど、取り出した瞬間に結城歩に取り上げられてしまった。






『ここ何日間か見た限りそんなに吸ってないし、無くても平気でしょう?

代わりに、これでもどうぞ。』






ポケットから数個の飴を渡して、屋上を出て行ってしまった。





< 207 / 360 >

この作品をシェア

pagetop