ラブレッスン
会議室のドアは開かれたままになっていた。




その隣にある喫煙室からザワザワと話し声が聞こえる。



会議を終えて、仕事に戻る前に一息ついてるのね。






「失礼します。」






中に入ると皆もう出ていってしまったのかシンッとしてて誰もいなかった。





皆が座っていたパイプ椅子を一つ一つたたんで壁際に立て掛けていく。





『白岩くんから聞いたけど、沢木さん早退したんだって?』






入り口から声が聞こえて来て、体がびくついてしまった。





バタンッ





ドアの閉まる音と同時に振り返ると、相田部長がタバコのケースを胸ポケットに入れながら近づいてくる所だった。






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