ラブレッスン
「体調崩してしまったみたいです。」





相田部長の顔が見れなくて、露骨に体ごと背けて椅子の片付けを続ける。





会議室には椅子を片付ける音だけが響く。






相田部長が何も言わずに後ろに立っている事が気配でわかった。






背中に痛いくらいの視線。





私の様子を観察してるようで居心地が悪い。







最後の椅子を畳もうと手を延ばした時、相田部長が口を開いた。







『沢木さんと何かあった?』







延ばしかけた手を一瞬途中で止めてしまった。




「いえ、別に…」
『やっぱり何かあったんだね?今朝と様子が違う。』





1歩…また1歩と近づいてくる相田部長に、逃げ出したい衝動に駆られた。





今、顔を見られたら…何て言われるかわからないわ。




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