ラブレッスン
『優しくなんかないさ。だから焦って答えを急がせたんだ。

付き合ってから好きになっていって貰えればいい。僕の方が遠藤さんと仕事でいる時間も長いしね。

そう思ってたんだけど……』






一旦言葉を切って、持ってた鞄を床に置き、両手を私の肩に乗せてきた。






『だけど、状況が変わりそうなんだ。今の新プロジェクトが成功したら、僕は部長じゃなくなる。

専務補佐を打診されてるんだ。』





相田部長が専務補佐?






それって昇進よね?





「嬉しく、ないんですか?」






『嬉しいよ?でも遠藤さんと離れたら、きっともう僕に気持ちは万に一つも向くことはなくなる。…違う?
だから…待つなんて悠長な事言ってられないって、エレベーター内で口説いた時より焦ってる。』







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