ラブレッスン
「ごめ…なさい。私…そこまでは…考えてませんでした。」





深く考えずに交際し始めた自分が情けなくて、涙が止まらなかった。





『仕方がないさ。待つと言ったのにいきなり結婚だなんて。
だから今から考えて欲しいんだ。ごめんなんて言わないで?』






首を横に振って部長から離れた。






「相田部長に想ってもらえるほど、私いい人間じゃありません。最低なんです私…私っ!!」






こうして泣く資格すらない。


こんなに真剣に向き合おうとしてくれた相田部長から忙しさを理由に避けて、その上しつこく結城歩に想いを募らせて。






「こんな私に相田部長にそこまで想ってもらう資格なんてありませんっ…!

ごめんなさい。ごめ…っ!!」






相田部長の手が私の口を覆った。






優しく覆うその手に胸が苦しくなる。





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