ラブレッスン
LAST LESSON

誠意

屋上から降りてそのままトイレへと向かう。







『遠藤さんっ。』







トイレで化粧ポーチと携帯を握りしめた沢木さんと会った。







すっかり忘れてたわ。







「連絡できなくてごめんなさい。結城さんに連絡してみたんだけど、今忙しいみたいで。」






言ってる間にも曇ってく表情。





「でも、仕事終わってからなら大丈夫って。沢木さん今日は予定とか空いてた?」






パァっと明るくなる表情に羨ましさを感じてしまう。






『空いてます!うそ〜っ!!今、会うより嬉しいです〜』






「多分仕事終わったら企画部に来ると思うから。」






そのままトイレの個室に入って逃げるように会話を終了させた。






これでいいのよ。






自分に言い聞かせて込み上げてくる切なさを噛み締めた。



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