ラブレッスン
‘これから俺が由宇さんに惚れる事はありません’





その言葉を聞いて真っ直ぐに気持ちを伝えられる勇気が私にはなかった。






勇気もないのに羨ましがるのは狡いわよね。





最後のファイルを片付けて、ため息をつく。






入り口付近が少し翳って人の気配を感じてはっとする。







『ため息は幸せ逃すって言うからあまりつかない方がいいと思うよ?』







同時に聞こえて来た声に、ここで仕事をしていた意味を、伝えなくてはいけない気持ちがあった事を思い出す。







『結構大変な仕事押しつけちゃったかな?』








中に入って来ながら言う相田部長。







「いえ…。」







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