ラブレッスン
『今、沢木さんに何か言われた?』






デスクに鞄を置きながら声をかけられる。







「その…」







咄嗟な言い訳が思い浮かばなくてしどろもどろ状態の私に、ふっと笑って見せた。








『あー。もしかして気でも遣われたのかな?…困ったもんだね。』







「すみません…。私からも言っておくので。」







『困ったっていう意味勘違いしないでね?

沢木さん…彼の事狙ってるらしいね。昨日一緒に歩いてるの見かけたけど。

きっと遠藤さんと僕がくっつけばライバルが減ると思ってるんだろうね。』







相田部長の言葉に少し驚いた。


結城歩と仲良くなれて機嫌がいいとしか思ってなかったけど、そんな事を考えて私にあんなに協力的な言葉を?







『遠藤さんはいいの?彼とちゃんと話し合った方がいいよ?

僕の事は気にしなくていいからね。』








気にしなくていい言われても無理よ。それに…







「私と彼ではどうにもならないですから。

だからそんなお気遣いしないで下さい。」




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