ラブレッスン

出来るだけ傷つけたくなくて伝えようとする言葉を一生懸命頭の中で考える。






『僕に言いずらそうって事は、…結城君絡みの事が原因？』







「…このままこの会社にいると、私がわからなくなりそうだからです。
自分らしくいられる自信がないから。

見つめなおす意味でも、退職して新しく始めたいって思ったんです。」






相田部長の問いかけには肯定も否定も出来なかったけれど、言った言葉に嘘もなかった。





きっとこのまま何事もなく前のように働こうとなんて出来ない。





どこかで相田部長や、結城歩と顔を合わせたら









声を聞いたら








きっと他の人が名前を出すだけでも動揺するわ。








胸が苦しくなって…




そうなったらいつか仕事にも影響が出てしまう。




こないだのようなミスだってしかねない。




そうならない為にも…




私の事は誰も知らないところで一からやり直したい。