ラブレッスン
それからの毎日は忙しくも平坦に過ぎていった。






たまに私と相田部長の仲を取り持とうとする沢木さんの行動に困ったりもしたけれど。





私も相田部長も素知らぬフリでそれをかわしていく。





時おり沢木さんが口に出して聞こえる結城歩の名前に、ズキズキと苦しくなる胸と。






『遠藤さん!俺平山って言うんだけど、今恋人とかいるの?

いないなら、今夜食事でも…』






「…ごめんなさい。」







お昼を休憩室で過ごすようになってから、どこかの部署の男性に誘われる事が時おりある事。






それを除けば











結城歩と出会う前の生活に戻っていた。







出会う前の生活に戻っていく中で




私の心の中にぽっかりと穴が開いたような空虚な気持ちも生まれてきていた。







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