ラブレッスン
『残念なお知らせも今しなくてはいけない。実は遠藤さんが今日付けで、退職することが、決まってました。』





ざわめく同僚達の声に消えないように相田部長が少し声を大きくして続ける。




『前から決まっていたことでしたが、仕事に影響を及ぼさないようにとプロジェクトが成功するまでは、黙っておくように、こちらで勝手に決めたことをここでお詫びします。…申し訳ない。』




頭を下げる相田部長の横で私も一緒に頭を下げた。




「今までお世話になりました。一身上の都合で辞職することを決めました。

無口でとっつきづらかったかもしれません。

生意気な事をいったりもしたかもしれません。

それでも今まで同僚として一緒に働いてくれてありがとうございました。」







告げた私にまだどうしていいかわからなさそうな同僚たちに続けた。






「せっかくのお祝いの場で申し訳ありませんでした。

今日で最後なのでわがままかもしれませんが、笑ってて欲しいです。

プロジェクトの成功や、相田部長、白岩チーフの昇進は辞める私も喜ばしいことです。」






言った後、動揺しつつも納得してくれたのか最初は少しわざとらしかったけど、次第に普通に笑う同僚たちの姿に私も笑みが零れた。





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