ラブレッスン

笑いあう中で、沢木さんが近づいてきて声をかけてきた。




『遠藤さん…辞めるってどうして？もしかして前にミスしたのが原因ですか？』





複雑そうな顔をする沢木さんに少し違和感を感じながら、私は笑って答えた。





「違うわよ。ちょっと色々考えることがあって。あのときのミスだって沢木さんが助けてくれて、大事にはならなかったのに、責任とって辞めるなんておかしいでしょう?」





『そう、ですよね。』





なぜだか浮かない顔をする沢木さんに小首を傾げて見ていた時だった。





『そろそろお開きにして、どこかで飲みなおそう！』




白岩チーフの提案について行く人は挙手するように声をかけられる。




私はそれを辞退して、沢木さんを見た。




「沢木さんは行かないの？」




『はい。…あの遠藤さん話したいことがあるんですけど。』




「何？」




『私、実は結婚しないかって言われてて…。それで、彼に出会えたのも遠藤さんのお陰ですし、このままうやむやにするわけにもいかないので、はっきりと彼の前で全て話して、遠藤さんに謝りたいんです。』