ラブレッスン
結婚の言葉にグラリと視界が揺れた。















何度か沢木さんに相談したいことがあるって言われたのを思い出す。







私はそれをずっと理由をつけて断ってきた。







沢木さんの相談っていうのはきっと…結城歩との事だと思っていたから。







それ位しか私に相談なんてする事はないと思っていたから。










そんなに二人は進んでいたの?







立ちすくむ私に、声をかける同僚たち。






お元気で。とか、そんな言葉に、曖昧に返事を返すけれど、それどころではなかった。







視界にボンヤリと沢木さんが携帯で誰か話してる姿が目に入る。






そして私が同僚たちから餞別の言葉をある程度受け取って一人になった頃近付いてきた。






『駅前にあるカフェわかります?そこで待ち合わせになったので、一緒に行ってもらえますよね?』






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