ラブレッスン

「…あの。先に行っててくれる？デスク内の私物の片付け済ませてから向かうから。」






努めて冷静に言った私の言葉に少し微笑む沢木さん。






私も笑い返したつもりだけど…上手く笑えてたかなんてわからなかった。







沢木さんに伝えた言葉も




笑った顔も







自分の一部とは思えない。






感覚が麻痺したような気分だった。








沢木さんを見送って、フラりとよろめく。



















無理よ。






二人の幸せそうな姿なんて見たくない。











どうしてあの時…沢木さんのお願いを聞いてしまったの？








なぜ自分の気持ちを伝えようとしなかったの？













人の気持ちなんてきっかけひとつですぐに変わるかもしれないって。










もしかしたら…もしかしたかもしれないって。





苦しい気持ちから逃げることばかり考えないで





正面からぶつかっていこうって










どうして考えなかったの？










今になって後悔するなんて







身勝手にもほどがあるわ