ラブレッスン
私物を纏めた紙袋と鞄を掴む手に力がこもる。






自分の取った行動にやるせない憤りを感じて

それに対してまた憤りを感じた。











二人を前にして笑える自信がないわ。






おめでとう






そんな言葉言えない。











私は携帯を出して電話帳から沢木さんの名前を呼び出した。






気分が悪いからとでも言って、電話で用件を聞かせてもらうしかない。








発信ボタンに指をかけた

その時だった。







後ろから肩をグイッと引かれて振りかえさせられる。







その衝撃で落ちる紙袋。















「…ど…してここに?」





駅前のカフェにいたんじゃなかったの?












目の前には血相を変えた結城歩の姿があった。




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