ラブレッスン
『…私が遠藤さんに、もう嫌がらせしない様に見張ってたんだと思います。

私と会っていれば遠藤さんには何もしないってきっとわかってたんです。』






罰が悪そうに話す沢木さんにますます訳がわからなくなる。







「私、嫌がらせなんてされてないわよ。」








言った私に黙り込む沢木さん。

そんな沢木さんの背中をポンポンと叩くマサ。








マサを一度見てから、決意したように話し始めた。








『前に遠藤さん必要な方の書類を、シュレッダーにかけてしまった事ありましたよね?

あれ、私が仕組んだんです。シュレッダーかける書類をこっそり下の方に置き換えて…

恩を作って結城さんを紹介してもらおうって思って…。

ごめんなさいっ!!自分の事しか考えてなくてっ。』






泣き出す沢木さんの頭を引き寄せてマサは優しく頭を撫でていた。







あのミスは仕組まれてた事だった?







だけど怒りとか沸き上がらない。







どうしても近付きたい。


あの頃の沢木さんを見てたら、その気持ちが痛いくらいにわかっていたから。






「大事に至らなかったんだし、気にしてないわ。

シュレッダーかける前に確認しなかった私も悪いんだから、もう気にしないで?」



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