ラブレッスン
あなたに早く会いたかったの。






そう続くはずの言葉は結城歩の言葉に遮られた。








『俺がマサの店に着く前にまた居なくなろうとしたんですか?

逃がさないって…。逃げないでって言ったはずですよ?』







冷たく言い放つその声色に一瞬体が固まって、思考回路もフリーズ状態になってしまった。







逃げるって?











!!






もしかして結城歩がマサの店に来ると知って、また私が逃げ出そうとしてるように誤解された?







「違っ!私はあなたに早く会い……ちょ、ちょっとどこ行くの!?」






私の弁解も聞かずに、私の手首をガッチリと掴んで歩き出す。







長い足でズンズンと進むその早さと歩幅の広さに、小走り状態で付いていく…いいえ、引っ張られる私。







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