ラブレッスン
『由宇さん?さっき俺の事好きって言いましたよね?』




唐突にそう問いかけられて、おもわず顔をそらしてしまう。




『なのに、部長と結婚するの?俺に気持ち伝えるだけ伝えてもう満足なわけ?

それとも俺も部長も両方好きって事?』






言われた言葉に逸らしていた顔を元に戻せば、
怒ったような、悲しそうななんともいえない表情で私を見ている目と、目が合った。







何でここで相田部長が出てくるわけ?
両方好きって何よ!





そこでようやく結城歩には、相田部長からのプロポーズを断った事も、
別れを選んだことも、何一つ伝えていなかったんだと気付いた。






私が部長とまだ続いていると思ってる結城歩に、私は好きだと、泣きながら言って、キスされて逃げ出していたのね。






それじゃあ、また私が逃げ出すと思われていたとしても仕方がないわ。




…私の話を聞こうとしない結城歩に呆れていたけれど、そうさせてしまった私が全面的に悪い…












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