ラブレッスン
体を起こしてベッドの下を見る。






尻餅をついて片方の手は蹴飛ばしたと思われるお腹を擦り、片方の手は床についた格好で俯いている。






その表情は前髪が邪魔してよく見えない。









見えないにしても、怒ってる…わよね?








「ご、ごめんなさい。大丈夫!?」







ベッドから降りて少し近付き声をかけた私の耳に、結城歩の消え入りそうな声が聞こえてきた。








『俺の方が…ずっと由宇さんを探してたんだ…。…やっと好きって聞けたのに…
やっぱりイヤだ。由宇さんの幸せをただ見てるだけなんて。

俺が……。俺と幸せになってよ。』

















ーーずっと探してた。








その言葉は私の予想を確信に変える言葉。








ーー俺と幸せになってよ。









それは私の願いでもあるのよ?












ゆっくりと近寄って、横に膝立ちをして…俯いたままの頭をそっと抱き寄せた。




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