ラブレッスン
無理って言ったのに、どんどん近付いてくる顔。







少し上から、顔を斜めにして私に近づいてくる。







結城歩の髪が私の頬を掠める。







そして今にも交わりそうな距離にある結城歩の唇。







胸がドキドキを通り越してバクバクしてきてる。







『俺が好きなら、由宇さんからキスして?』







キスをしてともう一度言ったその吐息が、私の唇に触れて、それだけでキスされた感覚に陥ってしまう。







『由宇さん…。』








熱っぽく名前を呼ばれて、ゾクリとして、体の芯から熱く火照りだす。










ズルイわ。







ちょっと唇を前に出せばすぐに触れるこの距離で、私からキスだなんて。






焦らされてるみたいで恥ずかしい。







『お願い…。』








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