ラブレッスン
私のそんな願いも虚しく、翌朝、朝礼の始まる10分前に





『おはよう遠藤さん。』





給湯室で麦茶を作ってた私の目の前に結城歩は堂々と現れた。





二日続けて現れた結城歩に、同僚達も昨日より好奇心たっぷりの視線をこちらへ向けてくる。





さすがにその視線に気づいたのか、肩を竦めて小声で話しかけてくる。





『なんか注目されちゃってますね。

これじゃ話しずらいから、お昼に屋上で待ってます。
その時に遠藤さんの大切なものお返ししますから。』




そう言って立ち去った。





やっぱり、しおりは彼が持ってるんだ。





ここまで来たんだったら、返していきなさいよ。









その後沢木さんからまた質問攻めにあって、仕事に集中できずにイライラしたのは言うまでもない。





彼ってきっと前世では私の天敵だったに違いないわね。




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