ラブレッスン
屋上へ着いて、奥へと進んで行く。





高い柵が端に付いていて、柵越しに隣のビルを眺めながらタバコに火をつけた。





隣のビル内で働く人がうっすらと見える。




向こうからも私の姿はきっと丸見えよね。
サボってやがるって思われるのかしら。





そんな事を考えていたら目の前に携帯用の灰皿が差し出された。





横を見るとそこには結城歩の姿。





『灰、落ちそうですよ?』




灰皿を受け取って、まだ充分長いタバコを揉み消した。





『意外。タバコ吸うんですね。
俺も吸っていいですか?』





「勝手にすれば?」





隣のビルにまた視線を戻して言う私の耳にカチンっとジッポの音が聞こえてくる。




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