ラブレッスン
手にムースをつけながら私の髪につけて





『縛りクセついてるからさ、何もつけないと毛先跳ねて酷くなるから。

サイドの髪はこうやってムースで後ろに流してやって。』





説明しながら最後のセットを終わらせてエプロンを外してくれた。





『どう?悪くないだろ?』





「………ええ。」





同意するのは癪だったけど。
こざっぱりとしたその髪型は、思いの外嫌いな髪型ではなかった。






今時のクルクルした巻き髪なんかにされたり、
セットが大変な切り方されたらどうしようかと思ったけれど。





この髪型ならそんなに苦にならなさそうだわ。





1本に縛るのとそう大差ないんじゃない?





そう思いながら席を立って鞄から財布を出した。





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