ラブレッスン
話してる間も私の手を引いて出口へと進んでく結城歩。




半ば引きずられるように連れてかれる私にマサは苦笑しながら手を挙げてヒラヒラと見せた。





それに答えるように手を振り返してそのまま美容室を後にした。





美容室を出ても止まることなく進んでく結城歩。





「ちょっと止まって。どこに向かってるの?
…ちょっと!聞こえてるの?

結城さんっ!!」





ようやく止まったかと思ったら、手を離してくるっと振り返り、私を不機嫌そうに見下ろしてくる。





もうっ何なの?

さっきまであんな無邪気に笑ってたと思ったらいきなり不機嫌になったり。





訳がわからないわ。





「とりあえず…洋服代。いくらなの?」





鞄から財布を取り出そうとした私を止める手。





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