近距離恋愛
「はーるーとー」
大きな声でその主を起こす。
「……」
返事がない。
「おいっ!遥斗起きなさい!!」
そう言って、掛け布団を取る。
すると、手をぐいっと引っ張られて…
「きゃっ…」
すっぽりと遥斗の腕の中。
「さみぃ…」
ボソッと言った遥斗に私は、耳元でこういう。
「夏なんだから、寒くないでしょ!起きなさい!」
そう言い、遥斗の腕の中から出る私。
ほかの女子ならきゃーきゃー顔を真っ赤にして倒れるが……私は、そんなことなどない。
小さい頃からずっと一緒の遥斗にドキドキなどしない。