春風と共に
春風と共に
ある晴れた3月の下旬。春の香がすぐそこまで来ていた昼下がり。
2000年を迎えた遠い昔の出来事。
笑いの神はそんな一般人をも巻き込んでしまう。
ちょうどこの時代は携帯が一人一台と普及し、三和音、四和音と着信音が華やかになり、着メロのサイトが急増、周知されてきていました。
この着メロを巡り、事件が起こる。
買い換えた携帯の着メロを充実させたいと考えていた。だが、勤務中に携帯を操作する訳にはいかない。
ようやく迎えた昼休み。会社で着メロを必死に取っている自分の姿を想像すると、なんとなく恥ずかしさを覚え、外の陽気にもつられて慣れない携帯を持ち、近くの公園に行くことを決めた。
色んな着メロのサイトがあり、選択に悩んでいたが、ふとある言葉に目が止まる。
『音声検索』
すなわち、アーティスト名を発声すれば、一発で着メロのあるタイトルが分かる…
そこで検索をしようと発声をする。
「スピッツ」
しかし…
聞こえてくるのは、
『認証出来ません。もう一度お願いします』
ゆっくり発音してみる…
逆に早く発音してみる…
一度に三回連続発音してみる…
単語単語をしっかり発音してみる…
ロボットの様に発音してみる…
カタコトの外国人の様に発音してみる…
様々な「スピッツ」を披露したが、返ってくるのは、
『認証出来ません。もう一度お願いします。』
当時の携帯は性能や技術が未熟であったのであろう…
会社で頑張ってなくて良かった…
少し、安堵を頭をかすめながら、かなりムキになってきて、どうしてでも音声検索を成し遂げようと気合いを入れた「スピッツ」を言おうとした…
その瞬間!!
春一番が吹き、強烈な風に巻き込まれる。
次の瞬間!!
『バッハ ですね?
宜しければ数字の1を…』
携帯の音声検索の結果を報告するアナウンスが流れ始めた…
宜しい訳あるかい!!!!!!
2000年を迎えた遠い昔の出来事。
笑いの神はそんな一般人をも巻き込んでしまう。
ちょうどこの時代は携帯が一人一台と普及し、三和音、四和音と着信音が華やかになり、着メロのサイトが急増、周知されてきていました。
この着メロを巡り、事件が起こる。
買い換えた携帯の着メロを充実させたいと考えていた。だが、勤務中に携帯を操作する訳にはいかない。
ようやく迎えた昼休み。会社で着メロを必死に取っている自分の姿を想像すると、なんとなく恥ずかしさを覚え、外の陽気にもつられて慣れない携帯を持ち、近くの公園に行くことを決めた。
色んな着メロのサイトがあり、選択に悩んでいたが、ふとある言葉に目が止まる。
『音声検索』
すなわち、アーティスト名を発声すれば、一発で着メロのあるタイトルが分かる…
そこで検索をしようと発声をする。
「スピッツ」
しかし…
聞こえてくるのは、
『認証出来ません。もう一度お願いします』
ゆっくり発音してみる…
逆に早く発音してみる…
一度に三回連続発音してみる…
単語単語をしっかり発音してみる…
ロボットの様に発音してみる…
カタコトの外国人の様に発音してみる…
様々な「スピッツ」を披露したが、返ってくるのは、
『認証出来ません。もう一度お願いします。』
当時の携帯は性能や技術が未熟であったのであろう…
会社で頑張ってなくて良かった…
少し、安堵を頭をかすめながら、かなりムキになってきて、どうしてでも音声検索を成し遂げようと気合いを入れた「スピッツ」を言おうとした…
その瞬間!!
春一番が吹き、強烈な風に巻き込まれる。
次の瞬間!!
『バッハ ですね?
宜しければ数字の1を…』
携帯の音声検索の結果を報告するアナウンスが流れ始めた…
宜しい訳あるかい!!!!!!