知ることから始まるんだ!
幸樹の車に乗ってから、明日奈は黙りこくっていた。
「まだ、怒ってるの?
えと・・・俺のこと。」
「あ、いえ、先生のことじゃないの。
先生が誰と付き合ったって私がつべこべいう間柄じゃないしね。
そうじゃなくて、兄さんがお見合いするなんて、びっくりしちゃって。
なんかすごくさびしくなってしまったというか、私ってブラコンなんだなって自覚しちゃった。」
「そう。(俺の存在は兄貴より下ってことか?)」
「大丈夫。ずっと兄さんにはお世話になってきたんだもの。
見た目と同じくらい、いい人だといいな。」
幸樹の家に着いてすぐ、明日奈はいつものように先に降りて部屋にもどろうとしたときだった。
「あっ・・・」
幸樹は明日奈を抱きしめて、小声で話した。
「もっと文句言ってくれないか。
俺の行動をつべこべ言ってほしい。
うまくいえないけど、明日奈に叱られたら気をつけるし、うれしくなる。」
「えっ!」
「わ、悪い・・・こんなこと言える立場じゃないと思う。
俺どうかしてる・・・きっと君が美人だから、俺は。」
すぐに幸樹は明日奈を自分から引き離して車から降ろすと、車庫に車を置きにいった。
そしてしばらく、車の前で立ち尽くしていた。
先に部屋に帰った明日奈も、自分のベッドに倒れこんで、あらためて自分の胸の鼓動を意識した。
(あんなこと言われたら、兄さんより気になってしまうじゃない!)
そして明日奈はふと、考えてみると兄が結婚して妻と店を始めたら、自分はまた父のところにもどるしかない。
ということは・・・もう幸樹の世話になることもない。
ストーカー対策は別セキュリティのかかった家に住み、ボディーガードを雇って父と住むか、もしくは夫となる人と住むことになるのだろう。
それに幸樹もいつ結婚してもおかしくない年齢なのだから、自分の居場所なんてここからなくなってしまう。
(先生はつべこべ言ってくれって言ったわ。
ここを離れるときには言えるかしら・・・?)
翌日、幸樹のところに和樹と優奈がやってきた。
「優奈!久しぶりじゃない。
どうしてもっと早くきてくれなかったの?」
「ごめんね。仕事が忙しかったのと、彼とね・・・。」
「デートだったの?」
「えへへ・・・そんな感じ。
それより姉さんこそ、幸樹さんとどうなの?
1つ屋根の下・・・それも研究室の隣の部屋で寝泊まりしてるんですって?」
「それは、ストーカー対策よ。
すぐに幸樹さんが私の危険を察知できるからって・・・。」
「へぇ・・・優しいじゃない。」
「うん。でも・・・私たぶん、もうすぐお父様のお仕事のアシスタントをしなきゃいけないから、セキュリティのきいたお家へ引っ越すと思うわ。
崇兄さんもお見合いしてうまくいったら、私はもう看板娘もできないでしょ。」
「そんなぁ!」
「まだ、怒ってるの?
えと・・・俺のこと。」
「あ、いえ、先生のことじゃないの。
先生が誰と付き合ったって私がつべこべいう間柄じゃないしね。
そうじゃなくて、兄さんがお見合いするなんて、びっくりしちゃって。
なんかすごくさびしくなってしまったというか、私ってブラコンなんだなって自覚しちゃった。」
「そう。(俺の存在は兄貴より下ってことか?)」
「大丈夫。ずっと兄さんにはお世話になってきたんだもの。
見た目と同じくらい、いい人だといいな。」
幸樹の家に着いてすぐ、明日奈はいつものように先に降りて部屋にもどろうとしたときだった。
「あっ・・・」
幸樹は明日奈を抱きしめて、小声で話した。
「もっと文句言ってくれないか。
俺の行動をつべこべ言ってほしい。
うまくいえないけど、明日奈に叱られたら気をつけるし、うれしくなる。」
「えっ!」
「わ、悪い・・・こんなこと言える立場じゃないと思う。
俺どうかしてる・・・きっと君が美人だから、俺は。」
すぐに幸樹は明日奈を自分から引き離して車から降ろすと、車庫に車を置きにいった。
そしてしばらく、車の前で立ち尽くしていた。
先に部屋に帰った明日奈も、自分のベッドに倒れこんで、あらためて自分の胸の鼓動を意識した。
(あんなこと言われたら、兄さんより気になってしまうじゃない!)
そして明日奈はふと、考えてみると兄が結婚して妻と店を始めたら、自分はまた父のところにもどるしかない。
ということは・・・もう幸樹の世話になることもない。
ストーカー対策は別セキュリティのかかった家に住み、ボディーガードを雇って父と住むか、もしくは夫となる人と住むことになるのだろう。
それに幸樹もいつ結婚してもおかしくない年齢なのだから、自分の居場所なんてここからなくなってしまう。
(先生はつべこべ言ってくれって言ったわ。
ここを離れるときには言えるかしら・・・?)
翌日、幸樹のところに和樹と優奈がやってきた。
「優奈!久しぶりじゃない。
どうしてもっと早くきてくれなかったの?」
「ごめんね。仕事が忙しかったのと、彼とね・・・。」
「デートだったの?」
「えへへ・・・そんな感じ。
それより姉さんこそ、幸樹さんとどうなの?
1つ屋根の下・・・それも研究室の隣の部屋で寝泊まりしてるんですって?」
「それは、ストーカー対策よ。
すぐに幸樹さんが私の危険を察知できるからって・・・。」
「へぇ・・・優しいじゃない。」
「うん。でも・・・私たぶん、もうすぐお父様のお仕事のアシスタントをしなきゃいけないから、セキュリティのきいたお家へ引っ越すと思うわ。
崇兄さんもお見合いしてうまくいったら、私はもう看板娘もできないでしょ。」
「そんなぁ!」