知ることから始まるんだ！

翌朝早くに、２人は幸樹の部屋のベッドで目覚めた。


「いっけねーーーっ！昨日はここは休みにしたけど、今日は研究室に助手どもがやってくるぞぉ！！！」


「きゃっ！！ちょっとぉ、どうしてそういう大事なことを言っといてくれないのよぉ！」


慌てて明日奈は朝食の準備にかかり、幸樹は身支度して白衣姿になっている。


そしてやっと落ち着いたところの朝食・・・。


「なんで大切なことを言っておかなかったかって・・・？
そりゃ、俺にとって明日奈がほしくて仕方がなかったからに決まってるじゃないか。ははっ」



「もう・・・私を追っかけてきたストーカーの中でもいちばん厄介なのが、お風呂の中までついてきて、自分のベッドまで運んでいっちゃう人だわ。

お部屋の改造だってまだとりかかったばかりだというのに・・・。ふぅ。」


「完成するまで待てなかったんだなぁ。
それに、凄腕のストーカーだから、この屋敷のトラップはどれもかからなかったんだよな。
ごめん、どうしても待てなくて。」



「謝らなくていいわ。責任とってくれる手続きはみんな済んでいるんでしょう。
凄腕のストーカーさんは・・・。」


「そうだね。金が足りなくて作ってなかった指輪もこのとおり！」


「うっそぉーー！どうしたの？まさか・・・借金でもしたんじゃ。」


「じつはね・・・。」


「うん。どうしたの？」


「幸太郎の生態からふだん緑色の爬虫類についての論文が、認められてね。
ちょっとした賞金が出て、助手たちにあおられて馬券を買ってしまったら・・・それが大穴だったみたいでさ。
お金が転がり込んできた・・・怒るかい？」


「まぁ・・・じゃあ、私たちの結婚は？」


「もちろん、高級な打掛に変更して霊験あらたかな神前結婚式をして、最高の披露宴をするよ。」


「ぷっ！すごいプレゼントなのね。」


「風呂まで挑む気持ちがわかるだろ？」


「知らないわ！」


「ちぇっ！」