何それ、ずるすぎでしょ?


うぅ、ごめんなさい……。



「いつまで、逃げ続けるの?……怖いのは、分かるよ。でも、逃げてばかりじゃあ、何も始まらないからね。」




いつになく、真剣な実咲ちゃん。



……逃げてばかりじゃあ、何も始まらない事は、分かってるけど……



「……やっぱり怖いの。」



ポツリと呟いたつもりだったけど、実咲ちゃんには、聞こえたみたいで、



「……春のペースで頑張りなよ」



優しく笑いながらエールをくれた。


< 197 / 220 >

この作品をシェア

pagetop