何それ、ずるすぎでしょ?
凄いなぁ。私は、出来ないよ。
「それでは、最後の伝統行事です!」
えっ?伝統行事って何だろう?
「こちらの、ケーキをお互いに食べさせ合います!」
何、その伝統行事は……
絶対無理!!!
恥ずかしすぎるよ……
だって、『あーん』でしょう?
それなのに、高木君は、ケーキを小さくスプーンの上にのせた。
本当にやるの?
恋人でもないのに?
「児玉。ほら、あーん」
凄い優しい口調で言う高木君。