何それ、ずるすぎでしょ?


びっくりする。そんな、優しい声を出すから。



私は、小さく口を開けて、食べる。



「じゃあ、児玉さん。お願いします!」



今度は、私がする番だ。



少し大きめにスプーンにのせる。



「あ…ーん」



緊張からなのか、声が震え、スプーンを持つ手が震えてしまう。



高木君の綺麗な唇までケーキを持っていくと、



「緊張しすぎ……」



と、優しく笑って、ケーキを食べた。



唇についたクリームを舌で舐める高木君の姿が色ぽくてドキドキする。
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