純愛デビュー
第1章

田舎暮らし



-カンナside-






どこまでも続く緑の中に

ある細長い田舎道。


ガタガタガタ....


砂利のせいで小さなトラックの

荷台に積まれた荷物が揺れ動き、

同時に助手席に座るあたしの肩もゆれる





しばらく進んで

そろそろ酔うかも...なんて思っていたら

トラックはある大きな平屋の前で止まった。


「ご到着しましたよお嬢さま。ご荷物はこちらで運びますので先に中へお入りください」

「ありがとう」


あたしは膝の上に乗ったハンドバッグと

つばの広い帽子を持って

石造りの門をくぐりぬけ、




少し歩いたところに

たくさんの花に囲まれた縁側が見えると

思わず笑顔になってあたしは走って駆け寄った。


「おばあちゃんっ」

「遠いところからよく来たねぇ、カンナ」



少し背中の丸まった温かい体に抱きつくと

一気に安心して思わず涙がこぼれた。



「ほらほら泣かなくても大丈夫だから。お母さんから話は聞いた、辛かったなぁ」
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