純愛デビュー
「ここだから」
「家でかくね?」
門の前で立ち止まると
家の奥をのぞくように拓真がびっくりしていた
「そうかな?ここおじいちゃんちなの」
「そうなんだ。あ、明日一緒に学校いかね?」
「いいの...?」
「おぅ!逆にこっちがいいの?って感じ」
「じゃあお願します...」
正直、朝一人で行くのはなんとなく
心細かったから
思わぬことで拓真と出会って
ここまで仲良くなれて
本当に心強いし嬉しい
「じゃあ明日8時に迎えに来るな」
「ありがとう」
「それじゃ」
別れ際にニッと優しく笑って
拓真は来た道を戻って行った
あたしは突き当りまで拓真の後姿を見送ってから
家に入った。