純愛デビュー
学校の門をくぐりぬけ
拓真は下駄箱で、
あたしは来場者用の玄関で
上靴に履き替えると
一緒に2階へ上がった
そしてそのまま職員室へ向かう
「ここまでありがとね」
「いいんだよ、俺がしたくてしたことだし」
「優しいね...」
「まーな?じゃ、カンナの教室遊びに行くから覚悟しとけ」
拓真はそういっていたずらっぽく笑うと
自分の教室へ向かった
ガラガラ
「失礼します」
昨日と同じように職員室へ入ると
手前に座った若い男の先生があたしを手招きして
首を傾げてから近づくと
「白石だよな?」といわれ
頷くと「担任の山本です。よろしく」と
頭を下げた。
...若い先生だなぁ
けど、なんかいい意味で適当な感じでいいかも
「白石ってモテるだろ」
教室に向かう途中いきなりそんなことを聞かれ
「そうでも...」と答えると
「きっと目立つよ、うちにいたら」って言われ
極力目立ちたくない...大人しくしていよう。
そう決心した