純愛デビュー
あたしのこと心配してくれたんだよね...?
例えそれが嘘でも本当でも
気にかけて、そして駆けつけてくれたことが嬉しい
思わず口元が緩んでしまい
そっと頬を手で触ったとき
「ひゅ~ひゅ~」
咄嗟に振り向くとドアの隙間から
ゆりと葉月が顔をのぞかせて
あたしをみていた
「みてたの~?」
あたしが笑いながら2人に近づくと
隙間から出てきて
拓真の帰った先をチラッとみた
「早瀬くん、まさかのカンナ狙い?」
「そんなんじゃないって」
「早瀬くん野球部の次期キャプテンで爽やかだし優しくて、人気も高いんだよ」
「そうなんだ」
やっぱり拓真は人気なんだ
礼儀も正しくて先生方からも好かれていそうだしなぁ
「けどカンナと早瀬君って接点なくない?」
葉月が綺麗なロングヘアを耳にかけながらそういうと
「ま、食べながら事情聴取~」
ゆりはニヤニヤしながらあたしと葉月の背中を押した