純愛デビュー
伏せ目がちで長い睫毛が
かげをつくっている
そんな少し挑発的な綺麗な二重の目で
あたしをみる
...ドキンっと思わず胸が高鳴って
吸い込まれるように彼から目が離せなくなった
まるであたしたち以外の世界が
スローモーショーンみたく
ゆっくりと時が流れていて...
キーンコーンカーンコーン
そのとき終わりのチャイムが鳴り
彼は何事もなかったように前を向いた
やっと解放された...
「今日短縮授業だからこれで帰れる~」
グタッと机に突っ伏したあたしの
髪の毛をスルスルっと指に絡ませながら
顔を見なくても分かるくらい嬉しそうにゆりが言った
それよりなにより
正直あたしの頭の中は
となりの彼のことでいっぱいだった
なんでだろう...
わからないけどずっと考えてしまう
「カンナ帰るよー?」
「あっ...うん!」