純愛デビュー
つい一昨日まで東京都心の私立高校に通う高校2年生だったあたしは、
テストではいつも上位3人に入っていたし
体育祭ではリレーのアンカーも任されるくらい運動も出来た
そのせいか先生達からは模範生徒と見なされ
後輩からもそれなりに慕われていた。
けど...あたしはそんな生活が苦しかった
とにかく逃げ出したかった。
家にいても学校にいても
いつだって一人ぼっち。
誰も本当のあたしを見てはくれない
いつも外見で判断されがちで、
何もしても批難を受ける...そんな毎日
.....
"可愛いからって許されるなんて思うなよ"
思ってない____
"いつもウチラのこと見下してるんでしょ?"
見下してなんかないよ_____
"お金持ちでなんでも手に入るくせに"
ちがう...ちがう
そんなことない____
あたしは幸せなんかじゃないっ!!!!!!
「っはぁ....」
夢....か。
じわりと滲んだ額の汗を拭って体を起こすと
少し薄暗くて、開けっ放しの窓に網戸を閉めて
部屋を後にした。