純愛デビュー
学校を出ると目の前に縁側からみえた
綺麗な海が広がっていて
おばあちゃんに海によって帰ると電話をし
海に向かった
近づくたび強くなる風にスカートの裾を押さえながら。
砂浜に続く石畳の階段に腰を下ろす
どこも汚れてなくて真っ青な海を見ていると
心まで澄んで綺麗になりそう...
ここ、なかなかいい場所かも
家から近いし時々来ようかななんて思いながら
立ち上がると「あっ」と背後から声がして
あたしは反射的に後ろを振り向く
そこにはさっきの野球青年がスポーツバッグを肩にかけて
あたしをみていた
「あ...さっきの」
あたしがそういうと彼は焼けた肌を少し赤らめて近づいてきた
「転校生っすか?」
大きな体をして強そうな見た目の反面
大きなタレ目であたしをみつめ、
敬語で話しかけてくる律儀なところに思わず
笑ってしまうと
不思議そうに眉毛を下げた
「そう明日から通うの、それとあたしも2年生だから」
「え、なんで俺が2年だって」
「田中先生が言ってた」
「あっなるほど....」
彼は納得したようにうんうんと頷いてから
今まであたしが座っていた横に腰を下ろして
「少し話そうぜ」と隣に座るようにぽんぽんと叩いたから
あたしは言われるがままに隣に、
1人分の距離を開けて座った