くの一反省帖〜お殿様を守れ、オー!〜
「ところで…朧殿、馬に乗った経験は?」

緊急を要する任務ゆえ高速移動したい十兵衛の疑問は、当然だろう。

「あんな山で馬やら乗って何の意味ある?初めてに決まっとぉやん!」

自信満々に言い放つ朧

そりゃそうだよ。犬鳴の里って原生林が生い茂ってまさにジャングルって感じやったもんな…

「先回りやら出来るんか?」

一気に暗い顔になる十兵衛

「朧ぉ〜気ぃ付けてねぇ」

「行ってらっしゃい」

こっちに残る狭霧と文治が呑気に手を降るが…

「よっ、はっ…なかなか難しいな」

朧の乗る馬は一向に真っ直ぐ進む気配を見せない。
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