溺壊
玲を見つけたあの日から。
思考回路は壊れていった。
これが、世界に背いた罪だろう。
人を食べたいなんて、可笑しい。
可笑しいはずなのに、玲を求めてやまない。
当たり前だと思う自分が可笑しいということに
気がつけないでいる。
食べられたいなんて、普通思わないだろう。
でも、玲に、僕を、食べてほしいから。
玲が僕の肉を口にいれる瞬間を想像しては、興奮して。
僕が玲の肉を口にいれる瞬間を想像しては、うっとりとする。
壊れた人間。
僕は、君に深く溺れていく。