短編集
目的地である五つ先の駅までの二十分が、私の空想タイム。


そんな私を取り巻く人間模様。


まず、私の前に座っているのは、ごく普通のおじ様。髪型もスーツも整っていて、清潔感もあって、きっと、社内では人気者に違いない。


彼のとなりは、学生らしき男の子。いつも寝ているから、かけているメガネが似合ってるかどうか確かめようがない。


一方、私のとなりは四十代くらいの女性。ずっと携帯画面とにらめっこだ。



そんな人間観察も、本のページをめくる間にササッと何気なくするのが私のやり方。

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