続・エレベーター
『…あった。』


中庭の自転車置場の影に、その眼球を見つけたわたしは自転車置場に出た。


眼球の黒目が、くるりと上を見た。


つられるようにわたしも空を見上げる。


『屋上…。』


フェンスの途切れたその場所から美香が飛び降りたことを、何故かわたしは理解していた。


すると、頭の中のコール音がプツ、と止み、


『オマエも、シネ』


いつもの声が聞こえた。



もう涙すら出ない…。


力無く頷いたわたしは、屋上に上がるため、エレベーターに向かって歩き出した。





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