続・エレベーター
『確か、香織ちゃん…よね?まあ…ずいぶん痩せちゃって…。』


美香のお母さんは驚いたようにそう言うと、わたしに微笑んだ。


美香と似たその顔に微笑まれ、わたしは力が抜けたようにヘナヘナとその場に座り込む。


同時に泣くことを思い出したようにボロボロと涙が溢れ出した。


人目を憚らず子供のように泣いているわたしを、美香のお母さんは優しく抱きしめる。


『…美香のために泣いてくれてるの?』


涙声で美香のお母さんはそう言うと、


『ありがとう。』


小さい声でそう言った。




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