続・エレベーター
美香の家は、702号室にあった。


美香のお母さんと息を切らしながらやっと7階に辿りつく。


フウ、と大きく息を吐くと、美香の部屋の二つ隣りのそのドアの郵便受けに、たくさんの新聞紙がささっているのが目に着いた。


『おばさん、あの家…。』


わたしは美香のお母さんに聞いた。


ああ、と小さく頷くと、美香のお母さんが言った。


『あそこには今、誰も住んでいないの。』



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