続・エレベーター
笑顔の美香にお線香をあげ、目を閉じてゆっくりと手を合わせる。


再び、美香の顔を見る。


懐かしいその笑顔に、胸が締め付けられる。


こんな無邪気な笑顔の美香が、わたしの「死」を望むはずはない…。


そう思えた。


『香織ちゃん、麦茶入ったわよ。』


美香のお母さんがわたしに声をかけてきて、わたしは、


『ありがとうございます。』


久しぶりの笑顔で返事をした。




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