続・エレベーター
『…なんでいきなりあんなことしたのか、今でもわからなくて。』


美香のお母さんがポツリと言って、写真の美香を見つめる。


『…わたしも、です。だって、あの日…美香が死んだ日も、全くそんなそぶりなんてなかったし…。』


『ただ…。』


溜め息をついて、美香のお母さんは言う。


『ただ、さっきの二つ隣りの家族もね、美香が自殺した日の晩に亡くなってるのよ。』


『え!?』


ガタン、とわたしは麦茶のコップを倒す。


すみません、と謝りながらわたしは急いでハンカチでテーブルを拭いた。


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