続・エレベーター
わたしは驚いて、美香のお母さんの顔をまじまじと見た。



美香のお母さんは写真の美香にゆっくり目をやって、静かに言った。


『わたしも信じられないんだけど、本当なのよ…。』


『まさか…。』


そんなこと…あるはず、ない。


部屋の中で死んでる人がわかったなんて…そんなはずは…。


『…美香は、すぐ自分の部屋に行って寝てしまって、夜中に家を飛び出してそのまま…。』


美香のお母さんの瞳に、また涙が浮かんだ。


綺麗な瞳…美香とよく似ている。


美香のお母さんにかける言葉を探しながら、わたしはそのまま目を伏せた。



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