続・エレベーター
瞬間、ギクリとわたしは凍りつく。


目を伏せたテーブルの下に「あの目」があった。


その赤黒い眼球は、真っ直ぐわたしを見つめている。


『うわあぁぁぁッ!』


わたしは驚いて立ち上がった。


椅子が倒れる音が大きく響いた。


『香織ちゃん、どうしたの?』


わたしの声に驚いた美香のお母さんが心配そうに見る。


『そこ…目…目が…。』


わたしはテーブルの下に指を指した。


『…何もないけど?』


美香のお母さんに言われ、恐る恐るテーブルの下に目をやると、そこにあったはずの「目」は消えていた。
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