続・エレベーター
『…携帯電話を取りに来いよ。それで、終わりだ。』
電話から男の声が聞こえた。
低い、地の底から聞こえるようなその声にわたしはいつも引きずられそうになる。
わたしは精一杯の声を絞り出して、男に聞いた。
『本当に、終わらせてくれるの?』
『…お望みのままに。』
クク、とまたあの笑い声。
ざわざわと心が不安に波打つ。
わたしはその真ん中で流されないように必死で堪える。
『どうすれば…いいの?』
わたしは聞いた。
男がわたしの質問を待っていたかのようにすぐに答えた。
『エレベーターに乗れ。』
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