続・エレベーター
わたしは今来た道を戻り、エレベーターの前に立つ。


『あれ?故障中…じゃないの?』


故障中だったはずのそのエレベーターの扉が、開いていた。


辺りを見回すが、誰もいない。


『…?』


わたしは首を傾げながら、エレベーターの中を覗き込もうと、エレベーターの中へ一歩踏み出した。





…何処からか、音が聞こえる。


携帯の着信音。


手に持ったままの携帯は、素知らぬ様子で息をひそめるように音を出してはいなかった。



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